YOMIURI ON LINE より
学校内 全面的禁煙 全国に広がる気配
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◆教師が率先し始めた…
学校はすべて禁煙にしようという動きが、全国的に広がり始めた。今年度から全公立校で実施している和歌山県に続けと、自治体ぐるみで導入を決めたところも増えてきた。けむい学校は、もう時代遅れ――。
宇都宮市は4月から、市立の小中学校80校すべて、グラウンドを含めた敷地内を全面禁煙にする。現在、各校で工夫をこらしながらの“助走中”だ。
市中心部にある一条中学校は、22人いる女性教諭の喫煙者はゼロ。これに対し男性は21人のうち10人が喫煙している。喫煙場所は職員室内の給湯室だが、女性教諭はお茶をいれるのにも給湯室内のたばこの煙に悩まされ、また喫煙場所まで先生を捜しに来る生徒も立ち込める煙で受動喫煙の害を被ってしまう。
いきなり完全禁煙は難しいと、吸える時間帯を昨年10月から段階的に減少させた。1月からは昼休みも禁煙とし、始業前と放課後だけになった。ヘビースモーカーには大変そうだが、その1人の中堅先生は「たばこをやめればよいだけ。簡単なこと。決まったからには従います」と、きっぱり。
同市では、多くのコミュニティセンターが小学校の敷地内に併設されているが、敷地内である限り例外は設けない。学校の体育館やグランドなどの施設を、市民が夜間や休日に利用する場合も禁煙にする。市教委では、広報や回覧板で市民に協力を呼びかけている。
仙台市では、来年度の2学期が始まる10月(同市は2学期制)から、市立の幼稚園、小中高校、養護学校の195校をすべて禁煙にする。4月から半年の移行期間には、教職員向けの禁煙支援のための医療セミナーも予定している。
たばこが体に悪いことは、すでに常識。がん、心臓病、肺気腫(しゅ)などの呼吸器疾患を招く。1度手を出すとやめるのが難しいのはニコチン依存症のせい。予防の第一は、まず子供たちにたばこの害を教え、手を出させない教育だ。
日本学校保健学会が今年度発足させた「タバコのない学校推進プロジェクト」代表の家田重晴中京大教授は、「学校は全面禁煙にして、教師が禁煙を広めることこそ意味がある」と強調する。分煙化した学校で、喫煙室の灰皿の掃除を生徒にさせていた例や、喫煙者の先生が喫煙室にこもってしまい、休み時間や放課後に生徒と先生が気軽に話をする機会が失われる――といった問題もあった。
学校の全面禁煙は、こういった弊害をなくし、学校という子供の環境そのものを、たばこのない空間にしようというものだ。
公共施設での受動喫煙の防止が盛り込まれた健康増進法が5月に施行されることも、学校禁煙化の動きを後押ししている。4月から市立幼稚園、小中学校で始める愛知県犬山市は、「法律に明記されたことが追い風になった」と話す。
学校保健学会のまとめでは、個別の学校が独自に全面禁煙に取り組む例も増え、全国的な広がりを見せている。「日本中の学校をたばこのない健康的な場に」と、家田教授は訴えている。(田村 良彦)
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